三年坂

「三年坂で転んでね」 そう言って兄は死んだ・・・。
「三年坂火の夢:早瀬乱著」 平成18年度第52回江戸川乱歩賞受賞作。

麻布台から浜松町へ歩いていて道路地図板に「三年坂」を見つけた。
その後、麻布台へ出かけた時、三年坂へ行こうと探したが場所が分からない。
近くの道路地図板には三年坂が載っていない。三年坂が載っていたのは、何処の道路地図板かを覚えていないし、地図はその場所に合った方角に配置されていて、上部が北とは限らない。
そんな訳でうろ覚えの三年坂の場所(地図)は全く役立たずだった。

12月。「スケッチで楽しむ東京の坂道散歩・中島健一郎 新人物文庫」。が発刊され直ぐに購入した。
そして三年坂を歩いた。
転ばぬように慎重に坂を歩いた。
慎重過ぎてかえって危ない!・・。
三年坂で転ぶと、「すぐにその土を三度なめないと三年以内に死ぬ」。
真実・俗説・迷信!。


港区麻布台の三年坂
標識:
いつのころよりこの坂がそう呼ばれたのか、誰に名づけられたのか定かではありません。
しかし、東京が江戸と呼ばれていた時代には無名ではあります。
すでにこの坂がありのち石段になったようです・・
また、三年坂は別名三念坂などとも呼ばれ、同じ名前の坂が他に数箇所あります。
京都清水寺のそばに同名の坂があります。
昔の人が遠くふるさと京都をしのぶ気持ちを坂の名前に込めたとしたらロマンでしょうか
標識:麻布土木事務所
別名:三念坂
所在地:港区麻布台1丁目6番と7番の間


標識のある三年坂下部から
三年坂上部から


千代田区五番町の三年坂
標識:この坂を三年坂といいます。
「新撰東京名所図会」には「下六番町の方より土手三番町の中間を貫き土手際に降る坂をいう。三年坂は現今通称する所なるも三念寺坂を正しとす。

三年坂上部から
むかし三念寺といえる寺地なりし因り此名あり。然るに俗間誤りて三年坂と称し、」とかかれています。
千代田区教育委員会
別名:三念寺坂
所在地:千代田区五番町

三年坂株から


千代田区霞が関の三年坂
標識:
この坂を三年坂といいます。「東京名所図会」には「三年坂は潮見坂の南に隣れり、裏霞ヶ関と三年町の間の坂なり、坂をのぼれば是より栄螺尻とす。又淡路坂ともいい、一に此処を陶山が関という」とあり、さらに「栄螺尻、裏霞ヶ関と三年坂の間、道路の盤曲する所をさざえしりと呼び、・・・

三年坂上部から
・・・虎の御門より永田町に出る裏道なり、曲り曲りたる坂の名なり、亦此辺鶯多し、因って鶯谷というよしみえたり」とかかれています。
別名:淡路坂
所在地:千代田区霞が関三丁目、財務省と文部科学省の間)

三年坂下部から